こんにちは中居です。
シリコンバッグ豊胸術を受けて不安な思いをしながら過ごしている人は多いですが、今回もそんな1人のゲストがご来院されました。
40歳女性。
8年前にシリコンバッグ豊胸術を受けるも、左胸に不自然なシワがあり、右胸もペコペコする、ということでご来院されました。
前医ではシリコンバッグは大胸筋下に200ccの物が入っているという説明を受けていましたが、実際にエコーで検査をすると乳腺下に入っていました。
経年変化でバッグが押し潰されており、変形がみられました。
162cm/48kgということで、「脂肪が採取できるのか?」というご不安がありましたが、当院で脂肪豊胸術を受けられる中ではだいたい平均くらいの体型です。
そこは安心して任せて頂きましょう。
今回の手術のポイントは
・痩せ型の体型でしっかりと脂肪を採取することができるか
・シリコンバッグを取り出した後肋骨の変形があるか
・漏斗胸までしっかりとカバーしてCRFを注入できるか
です。
仮に広範囲から脂肪吸引を行って一度に大量の脂肪を確保しても、一回で注入できる限界の量があります。
そこで、1回目の手術で太ももの後ろから脂肪を採取し、シリコンバッグを除去してコンデンスリッチ豊胸を行います。
こんな感じで。
もしさらなるサイズアップが必要な場合、前からも脂肪採取ができるように、今回はバックアップとして残しています。
ただでさえ細い脚なので、できるだけ綺麗なラインを崩さないように気をつけながら、出血を最小限に抑えながらVASER脂肪吸引を行いました。
何とか700ccの脂肪を採取し、ここからコンデンスリッチファット(CRF)を作成します。
280ccのコヒーシブシリコンバッグバッグを取り出しました。
術前には200ccと聞いていたんですが…おいおい、随分大きなシリコンバッグが入ってるがな、と焦る。
肋骨の変形は大丈夫かな…紫の部分は漏斗胸ですが、胸の下縁付近に陥凹があるのがわかりますね。
これが長年大き過ぎるシリコンバッグが入っていたために肋骨が変形してしまった部分です。
そのような場合、たいてい大胸筋もペラペラになっているので慎重に脂肪を注入する必要があります。
手術が一気に難しくなり、緊張感が漂います。
さて、それでは胸の陥凹をを解消するためにCRFを注入していきます。
皮下、乳腺下(シリコンバッグが入っていたカプセル下)、大胸筋内、大胸筋下、そして漏斗胸に、丁寧に丁寧にCRFを注入していきました。
指先の感覚に全神経を集中させて、注入しているカニューレの先が正しい層に入っているかを常に把握しながら、塊で脂肪を注入しないよう最新の注意を払います。
右235cc、左240cc
自然なバストアップを行うには十分な量のCRFが注入できたと思います。
シリコンバッグを取り出して同時にコンデンスリッチ豊胸を行う、という手術は当院では毎日のように行っている手術です。
ですが、毎回毎回シリコンバッグや皮膚、皮下脂肪の状態に個人差があり、とても難しい手術です。
肋骨の変形やシリコンバッグの癒着、サイズなど、術中にしかわからない不測の事態もたくさんあります。
術前にしっかりと診察し、綿密な計画を立て、術中の状態に対応しながら、最終的に自然なバストを取り戻す。
美容外科医としてとてもやりがいのある手術です。
今回も無事に手術を終えることができました。
完成が楽しみですね(*´ω`*)
施術については
THE CLINIC公式サイト・豊胸シリコンバッグ外来をご覧ください。
また、そのほかの豊胸トラブルについては、
コラム「豊胸手術の失敗15例を実際の画像で解説します」もあわせてご覧ください。
回避方法についてもご紹介しています。