今月は喋ってばっかしでしたね
(^_^;)
ただ、ありがたいことに動画を御覧いただいた方から質問メールをいただきましたので、今回はそれにお応えしていこうと思います。
質問メール
「動画、とても分かりやすいです!
素人的な質問&個人的興味で恐縮ですが、こういった技術ってどどのように練習されるんですか?
バーテンダーの方とか、シェイカーにお米入れてシェイクの練習したりしますが、
脂肪吸引で捨てる予定の脂肪を使ったりして、ひたすらヌードルの太さやスピードを練習するのでしょうか?」
ちょっと長くなりますがお答えしていきましょう。
実は、僕はnoodle injectionの技術を15年前脳神経外科で働いている時に身につけました。
僕が勤務していた脳神経外科では脊椎の手術も日常的に行っていました。
手術は顕微鏡下で行うのですが、顕微鏡には2台のレンズが付いており、執刀医(部長)とアシスタント(僕)が常にそのレンズを覗きながら術野の骨を削ったり軟骨を処理したり、時には神経の中にある腫瘍を取り除いたりします。
手術を行う上で、顕微鏡を覗きながらドリルで骨を削っていく工程が毎回必ずあるのですが、その際に執刀医は右手に持ったドリルで骨を削りながら左手に持った吸引管で骨くずを吸引します。そして助手(僕)はそこに25ccシリンジに20Gサーフロー針の外筒を付けたものを右手に持ち、生理食塩水を正確に2秒あたり3滴垂らさなければいけなかったのです。
正確に2秒当たり3滴垂らす理由は2つあって、ひとつはそれが多すぎると水浸しになって術野が見えない、少なすぎると術野が乾燥して骨くずが流れない→吸引できない、そして骨に熱がこもって火傷がおこり、治りが悪くなってしまう。
滴下スピードは、速すぎても遅すぎてもになっても怒号が飛んできます。
だから正確に2秒当たり3滴を、それも顕微鏡を見ながら、正確な量で、正確な位置に垂らさなければいけなかったのです。
毎日毎日。
それが難しいのなんの。
体得するまでずいぶんシバかれました。
時は経って大塚美容外科に入職した当初。
院長が日本第一号のVASERを使う時、火傷予防のためにスキンポートを付けるだけではなく、VASERの挿入部に生理食塩水を垂らして冷やしながら施術を行っていました。
その時に脳外科時代に毎日やっていた右手の技術が役に立ったのです。
正確に2秒間に3滴垂らすから、濡れ過ぎず乾き過ぎず。
毎日毎日怒られていましたので、大塚美容外科で褒められたのってそれだけかもってくらい鮮明に覚えています。
「先生お水垂らすの上手いね」って.
全然嬉しくなかったけど(笑
先日THE CLINIC大阪院で行われたドクターセミナーでVASER販売業者の営業氏が
「日本第一号を導入したクリニックは水を垂らして冷やしながら手術してましたけどね」
と説明しながら嗤っていましたが
そ の 冷 や し て い た 助 手 が 俺 だ よ
つったら固まってましたね。
そんな訳で、僕の右手はシリンジを持たせたら一定のスピードで注入することが出来るようになっていたのです。
それも2秒辺り3滴くらいの繊細なスピードで。
昔、身につけた技術が今になってこんなに役に立つとは思いませんでしたが。
それが僕の2.4mm noodle injectionなのです。